上司から保険契約の営業成績を他の社員に付け替えるように強要されたこと等でうつ病になり退職した住友生命の元社員が,同社をパワハラで損害賠償請求を行った訴訟で,4000万円で和解が成立したことが明らかに


住友生命に対するパワハラを理由とする損害賠償請求訴訟で,6500万円余の請求に対して4000万円で和解が成立したことが明らかになりました。

パワハラ 4000万円で和解 住友生命、鬱病退社の女性と – MSN産経ニュース

住友生命保険(大阪市)に勤務していた50代の女性が鬱病になり、退職を余儀なくされたのは上司のパワハラが原因として、住友生命と元上司を相手取り、約6300万円の損害賠償を求めた訴訟について、大阪地裁(阪本勝裁判長)で和解が成立していたことがわかった。元上司が女性に謝罪し、住友生命側が解決金4千万円を払う内容とみられる。

訴状などによると、女性は大阪府内の出張所長を務めていた平成16年ごろから、社員が集まる朝礼で、保険契約の成績が悪いとして、元上司から「組織がつぶれるのは所長のせい」などと叱責された。獲得した契約を他の社員の成績として処理するよう指示された女性が、保険業法で禁止されていると拒むと、元上司から「あほか」「所長を辞めろ」と暴言を吐かれた。

女性は鬱病になり19年に休職。復職したが体調が戻らず、21年6月に会社を辞めた。国の労働保険審査会は22年6月、「長時間の上司の感情的な叱責は指導の範囲を超えている」として、女性の鬱病を労災と認定した。訴訟で住友生命側は「成績振り分けを強要したことはなく、嫌がらせもしていない」などと主張していた。

(略)

ポイントとなっているのが,パワハラとされている行為の有無ということになります。

パワハラの当該行為があったのかは,パワハラ訴訟でよく問題となる点ですが,今回も同様に問題となっています。ただ,保険業界ゆえの特徴的な点として,営業成績の付け替えを上司から強要されたという暴言等の典型的なパワハラとは異なるものが含まれています。

結果として,暴言や退職を求めるなどの典型的なパワハラも含んでいるのですが,会社としての法令上の問題行為が争点となってしまったという点が特徴的であったといえます。

そのためかはわかりませんが和解ということになっており,事実認定がどのようなものであったのかについては明らかにならないという結果となりました。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。