厚生労働省労働政策審議会,労働者派遣制度の改正について(報告書骨子案)を公表 派遣の期間制限制度の大幅改正へ


政権交代以降,民主党政権で行われた政策を真逆に変更する動きがいくつかでていますが,労働者派遣法でも規制強化をした法改正から派遣制度の期間制限を緩和する方向での法改正が検討されています。

12日に厚生労働省労働政策審議会に「労働者派遣制度の改正について」の報告書骨子案が示され,法改正の方向性が示されました。

労働者派遣制度の改正について(報告書骨子案(公益委員案))

報道では期間制限の緩和が注目されますが,かなり多岐にわたる内容を含んでいる改正となっています。

期間制限については,業務ごとに期間制限を設けていたのを廃止して,派遣労働者個人の期間制限と派遣先事業所における期間制限の二種類に再編成をすることとしています。

期間制限の原則はどちらも3年であり,労働者個人,派遣先の双方とも3年の期間制限を受けるのが原則となります。

しかし,これには例外があり,派遣労働者個人の期間制限は,無期雇用されている場合には期間制限にかからず,ずっと派遣することが可能になります。下記の派遣先事業所の期間制限の例外の要件を満たす必要がありますが,同じ事業所への派遣も3年を超えて継続することが可能となる内容となっています。

また,派遣先事業所の期間制限の例外は,過半数組合又は過半数代表に意見聴取をした場合にはさらに3年延長とすることがでいます。

このように,ずっと派遣労働者の活用の可能性を広げる内容となっています。実のところ,労働者派遣は非正規雇用の中では縮小しつつあるカテゴリであり,直接雇用の非正規雇用が増えているのが実際なのですが,この改正によって微妙な修正が生じるかもしれません。しかし,労働契約法の改正等の方向性もあり,非正規雇用全般にわたって同じ歩調で規制緩和となるかもしれません。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。