金融庁,企業の有価証券報告書等の不実開示責任を過失責任化の法改正を検討へ


有価証券報告書などの継続開示で虚偽を含むなどと不実開示をすると,提出者である企業及び役員に損害賠償責任が発生しますが,提出者の責任は無過失責任となっています。

企業からの責任が重いとの声に応えて,この点について過失責任化する法改正が検討されていることが,日経の報道で明らかになりました。

いわゆる継続開示に関する論点は,損害賠償の範囲の点に議論が集中する点がありましたが,ここにきて立法問題として過失責任化の方向が出てきました。

課徴金制度によって,正確な開示を担保する仕組みが充実してきたので,賠償責任を広くとることによって開示を担保する意義が薄れたとのことが報道で言及されています。

このような変化が立法事実なのだとすると,過失責任化という改正の内容に直結しないように思えてしまいますが,報道で触れていないだけで,無過失責任とすることは酷に過ぎるという考慮もあるのでしょう。

しかし,過失責任化というと,どういう場合かということになりますが,車内で体制を整備していたのに架空売り上げがされてしまっており気づかずに有価証券報告書や四半期報告書等を出してしまった場合などが念頭に置かれているようです。

また,立証責任は提出者側に転換される模様で,役員の責任の場合と平仄を合わせることになる模様です。

一方で,請求権者には株式を売却してしまった元株主も含めるとのことで,損害の範囲をどうするのかという問題が熱く浮上することになりそうです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。