東京高裁,NHKとの視聴契約について,受信者が拒んでも,NHKが通知をしてから2週間で契約が成立すると判断


NHKが視聴料の支払を求めて法的措置をとるようになってからしばらくたちますが,被告側から色々な反論がされており,法的に非常に興味深い問題を提起しています。

そのうちの一つにそもそも視聴契約が成立しているのかという争点があり,このたび東京高裁で判断がされました。

報道によると,東京高裁は,受信者が拒んでいるとしても,NHKが通知をしてから2週間で契約が成立すると判断した模様です。

「承諾なしでも契約成立」/NHK受信料訴訟で東京高裁 : 47トピックス – 47NEWS(よんななニュース)

NHKが個人を相手に受信契約締結と受信料支払いを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁の難波孝一(なんば・こういち)裁判長は30日、「NHKが契約を申し込めば、受信者が承諾の意思表示をしない場合でも、2週間が経過すれば契約が成立する」との判断を示した。NHKによると、初めての司法判断だという。

今年6月の一審横浜地裁相模原支部判決は「契約締結を命じる判決が確定した段階で契約が成立し、受信料の支払い義務が発生する」としたが、高裁はさらに踏み込み、契約は既に締結されていると認定した。

難波裁判長は、放送法は受信者に契約締結と受信料支払いの義務を課しており、判決で強制的に承諾させる手続きは遠回りで不必要だと指摘。「判決確定まで契約が成立しないのは受信料を支払っている人との間で不公平だ」と述べた。

(略)

民法の基本から行くと,合意がないだけではなく,拒否すらしているのに契約が成立してしまうというのはかなり例外的ではありますが,放送法に根拠を認めていることが伺えます。

一方で,契約の締結を求めての訴訟提起は迂遠すぎることも指摘していることから,契約そのものは既に存在しているが払っていないという問題状況になるわけです。

このような考え方が妥当かどうかはやや難しいですが,最高裁の判断があおがれる事態になると,興味深いことになると思われます。

裁判例情報

東京高裁平成25年10月30日判決

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。