日本では最低賃金法によって最低賃金が決まっています。
大雑把にいうと時給換算した場合の最低額に法律上の制限があり,契約自由の原則が一部修正されているわけです。
この最低賃金は都道府県ごとに決められます。
日本では,政治的な理由から民主党政権と政権交代後の自民党政権でも最低賃金が急上昇するということになり,この10月から各都道府県で順次,引き上げられます。
例を挙げると,東京では850円から869円へと引き上げられます。
850円というと大手外食チェーンなどのアルバイトの時給よりも若干低いくらいということになります。最低賃金ギリギリの賃金は早々はないため最低賃金上げによる賃金そのものの上昇効果は実は比較的苦しい業界にばかり押し寄せるという変な構造になっています。
このような最低賃金制度とよく似た最低賃金制度をドイツでも導入する方向になってきました。これも政治的な理由によるもので,総選挙の結果,大連立の条件として浮上してきたものです。
検討されているのは,8.5ユーロとのことで,1130円ほどということで,かなり高めの最低賃金ということになりそうです。
ドイツはもとから労働法制が非常に硬直的であり,そのせいで雇用を抑制している気があったことから,非正規雇用の拡大などを近年進めてきたところでした。今回はそのような緩和から逆の方向に動くことになる模様です。