東京地裁,野球賭博問題での元琴光喜の解雇をめぐる訴訟で,解雇を有効と判断


大相撲を揺るがした野球賭博問題は,関与した力士の一部を解雇したところ,解雇の無効を主張して争われる事態になってしまい,労働事件と化してしまいました。

そのうち,元大関の元琴光喜関が,解雇の無効を主張して提起した訴訟で,東京地裁は解雇を有効として,請求を棄却しました。

元琴光喜の解雇「相当」 大相撲野球賭博 東京地裁 – MSN産経ニュース

野球賭博に関与したとして日本相撲協会を解雇された元琴光喜(元大関、本名・田宮啓司)が処分を不服として大関としての地位確認などを求めた訴訟の判決が12日、東京地裁であった。竹田光広裁判長は「大関の社会的影響の大きさに照らせば解雇は相当」として、請求を棄却した。

元琴光喜側は、自主申告すれば厳重注意にとどめるとの協会の指示に基づき賭博への関与を申し出たのに、解雇されたのは「だまし討ち」だと主張。処分の有効性が争点になった。

竹田裁判長は、調査当初から関与を疑っていた協会側の聴取に対し元琴光喜が虚偽の供述をしていた経緯を踏まえ、その後の自主申告による処分軽減の対象には含まれていなかったと判断。「相撲道を体現し他の力士の模範となるべき大関が犯罪行為に参加したことは看過できない」として、解雇は有効と結論付けた。

(略)

解雇無効となった蒼国来関との違いが気になるところですが,上記報道からはとばくの事実自体ではなく,軽くするといっていて自主申告させたのにだまし討ちだという点が争点ということになります。

そのような形で自白させたことが解雇の濫用につながるかについては,それが唯一の証拠なのかなどによって変わってくるところもあるでしょうし,そもそも刑事事件ではないので,誘導して自白させたことが非難にどの程度値するのかは刑事手続と比べると別論ということもあるでしょう。

全文を確認していないのでなんですが,報道で言及される限りの事実の違いを踏まえると,解雇有効の結論にも相応の理由があるといえるのかもしれません。

裁判例情報

東京地裁平成25年9月12日判決

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。