最高裁,子の引渡しの強制執行について連れ去った親と子供が一緒にいる場合に限り原則自宅で行うなどを裁判所と執行官に通知を行う


JAPAN LAW EXPRESS: 子の引渡しの強制執行の方法について,最高裁が原則,自宅にて行うことを旨とするルールを設定 全国の裁判所に周知への続報です。

上記リンク先の記事で取り上げた子の引渡しの強制執行の新しいルールについて,最高裁が実際に通知を行ったことが明らかになりました。

報道によって通知の内容が以前よりもやや詳しく明らかにされました。

上記従前の記事よりも明らかになった点を加えると,以下の通りのようなルールとされています。

  • 引き渡しは連れ去った親と子供が一緒にいる場合に限り原則自宅で行う
  • 親が子供を抱えて抵抗した場合,執行は認められない
  • 公園や公道での執行は不可

以上から,強制執行であるものの,実質的にはその時点で監護している側による任意の引渡しがない場合には,引き渡しは行われないということになりそうです。

これらの根拠としては子供の精神的なダメージということで説明されています。

なお報道では,この引渡しが申立てられた件数について,10年が120件、11年が133件、12年が131件とされています。実際にどれだけ行われており,どのような態様であったのかについては,明らかにされていません。

実際のところ,これまでは裁判所ごと,さらには執行官ごとに全く態度が異なり,扱いはばらばらといった方がよいくらいで,一部ではかなり非人道的な事態を招いていました。

ハーグ条約との関係もあり,この機に統一的な取扱いをすると同時に,問題点の解消を図る方向になった模様です。

これは実務的には極めて大きな意義があり,どのように対応するとどのような帰結になるのかについて,わきまえておくことが求められると思われます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。