厚生労働省の研究会,派遣期間を派遣社員ごとに3年とするなどの派遣期間を延長する方向の法改正をまとめる


労働者派遣法の改正の方向が出てきました。

厚生労働省の研究会が,派遣期間が延びる方向に作用する制度変更をまとめ,法改正を行っていく方向になる模様です。

現在,派遣期間は26業務以外は最長で3年なのですが,これは労働者ごとに3年ではなく,派遣先がその業務について受け入れられる期間なのです。

第40条の2(労働者派遣の役務の提供を受ける期間)
派遣先は、当該派遣先の事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務(次に掲げる業務を除く。第三項において同じ。)について、派遣元事業主から派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならない。

研究会の案では,この3年を労働者ごとにするとのことで,派遣先としては労働者が交代するだけで継続的に派遣労働者を受け入れられることが盛り込まれています。

一方で,派遣労働者の保護も併せて向上させるために3年ごとに職場を変える際に派遣元に新しい義務を負わせる内容が取りざたされています。

雇用安定のため派遣元に対し(1)派遣先に直接雇用の申し入れをする(2)新たな派遣就業先を提供する(3)派遣元での無期雇用に転換する――のいずれかの措置を講じることを義務付ける

派遣の活用拡大の一方で,派遣労働者の地位の安定につながる内容も盛り込むという抱き合わせの内容になっている模様です。

今後,法改正のための手続きとして,労働政策審議会に諮られ,来年の通常国会に法改正案の提出を目指すとのことです。

労働者の保護一辺倒ということになっていた民主党政権時代とはパラダイム転換といえる方向の改正が行われることになりそうです。ただ問題は,内容がどちらを向いているかというだけではなく,立法技術の緻密さと成熟さにも課題があるような気がします。

稚拙な立法技術や大味な立法は大変な混乱をもたらして,そもそもの目的すら達成しないので,やはり成熟さが是が非でも必要ということを痛感したところです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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