最高裁,継続的な金銭消費貸借取引の基本契約に過払金充当合意を含む場合には,特段の事情がない限り,まず過払金について発生した法定利息を新たな借入金債務に充当し,次いで過払金を新たな借入金債務の残額に充当すべきと判示


過払いについて新たな判例が出ました。

端的に言いますと,継続的な金銭消費貸借をしていてその基本契約に過払い金充当合意がある場合に過払い金が実は発生しておりそれについた利息は,その後の借入金がある場合には,利息を先に充当してその次に過払い金を充当するという判示がなされました。

長くてよくわからない上,何を言っているのかわからないように思われるかもしれませんが,過払い金の問題はご存じのように実は過払い金が発生していたという類の問題のため,新しい借り入れをするに際には実は過払い金が発生していて債権者なのにお金を借りていたということだった場合があるのです。そして,過払い金が発生している場合には貸金業者は悪意の受益者ということになることになったので,利息も発生するわけです(民法704条)。

実は過払い金が発生していたという場合の処理として,継続的な金銭消費貸借契約の基本契約に,過払い金充当合意をしている例がありますが,ここで言及されているのは過払い金そのものだけであるため,過払い金についた利息はどうなるのかということが一応,まだ空白として生じていたわけです。

しかし,常識的に考えても,本体である過払い金は充当するのに,利息は別に返還しますというのは,何ともおかしいわけです。

そこで最高裁は端的に上記のような判示を行い,過払い金より前にまず利息を充当するという充当順序に関する判示を行いました。

最高裁判所第一小法廷平成25年04月11日判決 平成22(受)1983 不当利得返還請求事件

その理由といて最高裁は以下のように述べています。

過払金充当合意を含む基本契約に基づく継続的な金銭消費貸借取引においては,過払金について発生した法定利息を過払金とは別途清算するというのが当事者の合理的な意思であるとは解し難い。

まさに誰が考えてもその通りということになりましょう。すると,後の借入金に関しても過払いが発生していたり,返還額が小さくなったりといろいろな変動が生じることになりましょう。

もっとも実際問題としてどれほど影響があるのはについてはよくわからないところがあります。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。