スイス,国民投票で企業経営者の高額報酬に株主が制限をかけられる制度を賛成多数で導入へ


大企業の経営者が高額報酬を得ることはアメリカで顕著で話題にもなりましたが,世界的に同じ傾向があり,それに対する批判が起きてくるのも世界的な傾向といえるようです。

国民投票の活用をしていることで珍しいスイスにおいて,株主が企業経営者の高額報酬に制限をできる制度が国民投票の結果,導入されることになったとのことです。

これは何と憲法改正を経ることになるという大変大がかりなものである模様です。

経営者の報酬は,株主総会で株主が一応の関与ができるものですので,会社側提案の通りになるのが現実であるにしてもなぜそこまでするのかという気がしないでもありません。特にスイスのこの制度は罰則までついているとのことで,私法をなんだと思っているのかというような批判が起きそうな内容です。

しかし,これには相当の理由があるようで,スイスでは経営者の報酬に株主は関与できないということであり,それに対する不満からこのような大がかりな事態になったとのことです。

上場企業幹部の高額報酬にノー スイス、国民投票で株主権限強化 – MSN産経ニュース2013.3.4 09:49

上場企業幹部の高額報酬を制限できるかどうかを問う国民投票が3日、スイスで行われ、賛成約68%で可決した。今後、憲法改正の手続きを経て、経営陣らの報酬や退職金に上限を設定できるようになるなど株主の権限が強化される。

スイスの制度では大企業のトップらの報酬について、株主がほとんど関与できない。リーマン・ショックや欧州債務危機を通じ、企業の業績が落ち込んだ際の高額報酬の支払いに株主の不満が噴出し、国民投票が行われることになった。

(略)

経営者の報酬に対する批判という点ではアメリカなどほかの国々でもありますが,このような動きが波及するということは,制度の違いからなかなかなさそうです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。