法制審議会被災関連借地借家・建物区分所有法制部会,被災して大規模一部滅失したマンションを5分の4の議決権の多数決で取り壊し決議を認める特例などを含む罹災都市借地借家臨時処理法の見直しに関する要綱案を取りまとめる


マンションを取り壊すには,民法の原則通り区分所有者の全員の合意が必要です。

第251条(共有物の変更) 
各共有者は、他の共有者の同意を得なければ、共有物に変更を加えることができない。

建て替え等は多数決でできるのですが,莫大な費用が掛かることからデッドロック状態に陥ってしまうことも考えられます。そこで,そのような事態が多数発生していると思われる震災によるマンションの罹災について,究極の共有関係の解消方法も多数決でできないかということが検討されており,罹災都市借地借家臨時処理法の見直しに関する要綱案が,法制審議会被災関連借地借家・建物区分所有法制部会で取りまとめられました。

法務省:法制審議会被災関連借地借家・建物区分所有法制部会第9回会議(平成25年1月29日開催)

従来から報道されていた通り,議決権の8割の多数決という内容で落着しており,手続的要件も盛り込まれる模様です。

震災のたびにマンションの法的問題が浮上しますが,所管している省庁が多岐にわたるため,立法措置もあちこちでとられている様子が見受けられます。別にちぐはぐな内容になっているわけではないので,特段問題はないのかもしれませんが,違和感も感じるところです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。