大阪高裁,大阪労働局による労災認定の企業名不開示を適法と判断


労働事件ではなく情報公開に関する行政事件なのですが,労働法とも若干関係する興味深い裁判例が出ました。

大阪労働局が労災認定をした企業名についての情報公開請求を市民団体からうけてこれを不開示としたのですが,市民団体がこれを不服として訴訟となっていた事件があるそうです。

この事件の一審は不開示決定を取り消したのですが,控訴審である大阪高裁は一転して不開示決定を支持,原判決を取り消したことが明らかになりました。

理由中で,公表されると,企業が否定的評価を受け,利益を害される蓋然性があるとされている模様です。

市民団体が公開を求めたのは,すべての労災ではなく,どうも過労死などだけらしいのですが,それでもこのように判断されたとのことです。

裁判所はブラック企業とレッテル張りをされたら大変だろうと考えたということですが,過労死に限ってならまさにその通りのブラック企業なのではないかと思わないでもないところです。

しかし,よくよく考えると,業務起因性のある労働者の死亡は,ブラック企業に限ったものではなく,それなりにあるものですので,やはり広汎に失する恐れは多分にあるような気がします。むしろブラック企業における過労死が,労災となっているのかという点も気になりますので,やはりずれがあるのではないかと思えるところです。

裁判例情報

大阪高裁平成24年11月29日判決

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。