京都地裁,ソフトバンクの解約金条項を有効と判断


携帯電話各社が設けている割引のプランを一度締結したうえで解約した際に金銭的負担が発生するとする解約金条項については,消費者団体によってその有効性が訴訟で争われる事態になっています。

会社ごとに訴訟が起こされており,ドコモでは有効,AUでは一部無効となったのですが,このたびソフトバンクを被告とした訴訟では有効と判断されました。

携帯:ソフトバンク解約料「合法」…京都地裁判決- 毎日jp(毎日新聞) 2012年11月20日 23時07分

携帯電話の2年契約プランを中途解約した契約者から9975円の解約金を取る契約条項は消費者契約法に違反するとして、京都市の消費者団体「京都消費者契約ネットワーク」が、ソフトバンクモバイル(SB)に条項の使用差し止めを求めた訴訟の判決が20日、京都地裁であった。杉江佳治裁判長は「解約によるSBの損害は、解約料を上回る」として請求を棄却した。原告側は控訴する方針。

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SBは、2年契約の「ホワイトプラン」で基本料金を980円と格安にする代わりに、中途解約すれば9975円を徴収する条項を設けている。

判決によると、1契約当たりのSBの損害額の算定方法について、SB側が主張する「1カ月当たりの逸失利益×解約時点での平均残存月数」を採用。逸失利益や月数の数字は公表されていないが、SBの損害額を1万2964円と認定し、損害額が原告の解約料を上回ることから「合法」と判断した。

会社側の損害額をめぐっては、ドコモ判決が「1カ月当たりの平均割引額×解約までの平均利用月数」との式で算定し、解約金を上回るため「合法」と判断。au判決は、逸失利益を1カ月4000円と算定し、契約期間の最後の2カ月は解約料を下回るとし、条項を一部無効とした。

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上記報道によると,損害の計算方法が肝であるかのようで,それは大きなポイントではあると思いますが,一方で日経の報道では,消費者は解約料について十分認識していることも言及されているようであり,内容が妥当であるかの一点だけが問題となっているわけではないことも確かのようです。

裁判例全体の流れとしては,有効とみる方が強いように思われますが,その大きな要因は,解約金の金額設定にあることは確かなようです。利用者の心理にうったえる金額というだけではなく,損害との兼ね合いで適正な金額にしないといけないということで,極めて複雑な計算を要するものだと思われます。

 

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。