指針を憲法論に求めることができるか


昨日頑張ったので,今日は比較的余裕がありました。

とはいっても仕事をしない代わりに別のたまっている私事を片づけることに追われたというだけなのですが・・・。

 

さて,ちょっと考えてみたことを書いてみます。

現在,衆議院を解散しない理由として一票の格差を解消しないといけないということを大きな理由の一つにしています。その割には急いで解消しようとしているようには見えないので,時間稼ぎの気が多々ありますが,それはさておいても,一票の問題は最近,社会問題となってきているので,それなりに理由にはなりましょう。

しかし,この解消がされていないうちに,内閣不信任案が通ってしまったらどうなるでしょうか。衆議院を解散するか総辞職をしないといけないのですが,解散すると一票の格差を解消していない以上まずいということで,総辞職をしないといけないことに憲法上なるでしょうか。

一票の価値は14条を介して,認められるとされるものであるのに対して,内閣不信任が可決された場合の解散は憲法上直接明示されていることから,こちらのほうが根拠が強い感じがします。この点から行くと,内閣不信任の場合には,一票の価値の不均衡が解消されないうちには解散が制約されるということにはならなそうです。これに対して任意に解散する場合にはどうなるでしょうか。条文上の根拠がどれだけ強いかという見方をすると,内閣がそもそも解散できるのかという点についての論争がここに効いてくることになりそうです。

憲法の教科書にしか出てこないあまり実益の内容な議論に思えていたものが案外重要になるやもしれません。

また,解散してしまったとして,その選挙の有効性はどうなるのでしょうか。

判例の言い回しから考えると,違憲とするにしても,格差のある選挙区だけ部分的に違憲とかそういうことも視野に入ってくることになりそうです。

このように憲法上の議論は,間接的に効いてくることがあっても実際に切実な問題になってくるとはだれもが思っていなかったと思います。そこまではならないだろうと思っていた事態に本当になりかねない日本の政治は全く持ってどうかしていると思いますが,日本人の最も悪い部分を集中的にもっている人間が集まってしまっているというせいではあるものの,やはりある意味日本人の縮図であるのであり,国民全体の責任であるのでしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)