国境の概念


今日に至っては、EUの誕生やグローバル資本主義のせいで、国境自体がすでに古いものになりつつあると考える向きもありそうですが、法律に目を向けると国境はいまだに厳然と存在しています。

というのは、法律の及ぶ範囲は主権の範囲内に限られるからです。
古臭いものが勝手に古い概念に固執しているだけならそれはそれでいいのですが、資本の流れを規律するのはやはり法律以外にはありえないため、これは厄介な問題です。

そうなると条約などの国家間の枠組みへの移行が学問的にはいわれてくるのですが、二国間の取り決めすらなかなかできない中で条約などまとまるわけがなく、実効性を挙げるには程遠いのが現実です。

やはり国家行為としての法律による規制という手段が今後も主流であるのは否定できないでしょう。
このとき、どこまで法律の適用範囲を画するかが課題です。
便宜的に置籍するということはよくあるわけでいかに実質に着目して、法律の適用範囲を決めていくかが大事になってくると思います。
アメリカは自国の法律を世界標準にしてしまうだけの力があり、事実そのような方向に動いています。
世界的地位が低下しつつある日本法ですが、ボーダーレスにいかに対応するかはいかに日本法を存続させていくかとも関連して、極めて難しい問題だと思います。

しかし、海外からの輸入に慣れすぎているせいか、あんまり日本法の地位低下を問題視する声は国際私法などに携わる方以外からはあまりないような気がします。
このままで大丈夫か心配です。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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