日本経済新聞社,元枚方市長名誉棄損訴訟で取材源を開示したことについて,取材源の秘匿は一貫しているとする見解を公表


twitterで小さく触れたのですが,日本経済新聞社が元枚方市長から名誉棄損で訴えられている訴訟で,日経側が取材源を明らかにしていたことが明らかになっています。

この行為について憲法論ででてくる取材源の秘匿との関係で批判が出ている事態になっているのですが,これに日経が反論する見解を公表しました。

要するに,開示しても支障がない取材源の部分だけ開示したのであり,全体を通じてみると取材源の秘匿は守っているとする見解です。具体的には以下のように述べています。

(1)取材メモにあるやり取りは、本社が独自入手した情報の確認にとどまり、これとは別の新事実が明かされたものではない(2)記事掲載から3年が経過し、捜査はすでに終結している(3)本社は地検幹部2人について、夜回りなどすべての取材に対応する窓口あるいは広報責任者と認識している――ことから、開示によって取材源が不利益を被ったり、将来的な取材活動に影響したりすることはないと判断しました。

前提としてやはり真実性,真実相当性の立証は重いということを言及しており,名誉棄損訴訟の構造に問題があるということをにおわせているような色彩もうかがえるものになっています。

憲法論的には相当重い事態が進行しているようにうかがわれるのですが,あまり大きな騒ぎにはなっていないという何とも不思議な事態です。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。