三菱UFJ信託,役員にインセンティブ報酬を付与する際に,信託を利用して現物株を与えることができる商品を開始


本日の日経で載っていた記事ですが,三菱UFJ信託が,信託を利用して,役員に対するインセンティブ報酬として現物株を与えることができる商品を始めることが明らかになりました。

役員のインセンティブ報酬というとストックオプションが代表的ですが,これは新株予約権であり,株式にするには行使をすることで実現することができますが,これはいきなり現物株式を与えることができるというものです。

現物株式をインセンティブ報酬にするには,募集株式発行の第三者割当ということになりますので,インセンティブとするなら市場よりも安くないと意味がありませんから有利発行の問題がありますし,そもそも究極的に市場よりも安価にしようとすると,無償で募集株式発行ということになりそうですが,これにはいろいろとハードルがあったり,そもそも後者は会社法199条1項2号と238条1項2号3号を見比べると,法的に無理であることはすぐに想起されます。

そこで,この信託は,信託を設定することで会社が支出した資金で株式を取得して,役員がポイント制で功績を蓄積して,条件を満たすと株式を取得できるという内容である模様です。

なかなか興味深いこころみであると感じられますが,成熟産業は現物株を渡す方が適していると記事が結んでいるのですが,どのような産業が該当するのかは気になるところです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。