オリンパス配転事件で配転無効が確定したことを受け,当時の上司に懲戒処分がされたことが明らかになる


オリンパスにおいて内部通報をした社員を配転してその有効性が争われた事件がありまして,訴訟では,第一審で労働者敗訴,控訴審で逆転して配転無効の判断がされ,それが最高裁でも支持され確定しました。

JAPAN LAW EXPRESS: 東京地裁、オリンパスが内部通報をした社員を配転したのを適法と判断

JAPAN LAW EXPRESS: 東京高裁,オリンパスの内部通報者配転訴訟で原審を破棄 配転を無効として賠償請求を一部認容

このように配転無効で確定したことを受け,当時の上司にあたる執行役員に出勤停止2日の懲戒処分がされたことが明らかになりました。

この当時の上司というのは,報道によると不当な行為をしていて通報の対象となった上司ではなく,人事権者の方であるようです。

朝日新聞デジタル:オリンパス、人事権者の役員処分 内部通報者不当異動で – 社会

2012年8月10日16時28分

精密機械メーカー「オリンパス」社内で企業倫理違反の疑いを内部通報した社員が畑違いの部署に異動させられた問題で、同社が10日、上司だった執行役員を出勤停止2日の懲戒処分にしたことが関係者の話で分かった。「従業員に不当な配置転換を行った」というのが理由という。内部告発者への扱いをめぐり、人事権者が処分されるのは日本では極めて珍しい。

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高裁判決の中で、執行役員は「浜田さんの内部通報等に反感を抱いて、本来の業務上の必要性とは無関係に配置転換したものであり、動機が不当。内部通報による不利益扱いを禁止した社内規定にも反する」と指摘されていた。

(略)

司法的にこのような決着になった以上,社会規律的配慮としては,不問に付すわけにもいかないでしょうが,あまりに極端な人事をしていたものですので,致し方ない点はあるように思えます。これによって社会一般において,人事が委縮するなどという事態には直結しないと思われます。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。