法制審議会会社法制部会において,「会社法制の見直しに関する要綱案」の取りまとめの際に,独立役員の設置を求める取引所規則の制定を求める附帯決議決議がされる


少し前のことになってしまいますが,会社法改正の要綱案が取りまとめられたことをお伝えしました。

この際,取引所規則に期待するかのような内容の付帯決議がされたことが,法務省のホームページで特に目立つように公表されました。

法務省:法制審議会会社法制部会第24回会議(平成24年8月1日開催)

(略)

また,以下の内容の附帯決議がされた。
1 社外取締役に関する規律については,これまでの議論及び社外取締役の選任に係る現状等に照らし,現時点における対応として,本要綱案に定めるもののほか,金融商品取引所の規則において,上場会社は取締役である独立役員を一人以上確保するよう努める旨の規律を設ける必要がある。
2 1の規律の円滑かつ迅速な制定のための金融商品取引所での手続において,関係各界の真摯な協力がされることを要望する。

 

東証などはすでにここで求められている内容を有しており,むしろ会社法改正よりも先行しているわけですので,この附帯決議の意味は実際にまったく実例のないことを取引所に求めるということではなく,ソフトローの重要性が高まっており,そちらが上場している企業にとっての事実上のスタンダードになっているという現実との邂逅なのかもしれません。

また,このようなことを公表する点に,今回の要綱案から社外取締役の義務付けが結局は見送られるという結果に至るまでの過程が色々と察せられる気がするところです。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。