公取委、LBPトナーをめぐるキャノンへの審査、「独禁法上の問題なし」として打ち切り


以前、公取委がキャノンのレーザープリンターのトナーの改良が不公正な取引方法に当たるとして調査に入ったことを取り上げました(こちら)。
例によって、なんで調査に入ったのだとうがった見方をしていたのですが、これは読んだ新聞記事に書かれていなかった事実を見落としていたための誤解でした。もっともな理由がありました。
今回、公取委は独禁法上の問題なしとして、調査を終了しました。記事はこちら。公取委のプレスリリースはこちら
調査打ち切りで改めて事実の概要が紹介されてはじめてわかったのですが、キャノンが新たに開発したトナーでは、寿命などのデータを記録するICタグを搭載したため、再生トナー業者がしばらく参入できなくなったという事態があり、これは参入妨害に当たるのではないかと公取委が調査していたことがわかりました。
しかし、再生業者がICタグをどうこうできなくても、トナーを再充填さえすればプリンターに搭載して再度使うことができる仕様になっていたため、結局、再生品は市場を失わなかったため、独禁法違反にはならないということになり落着しました。
技術の向上に伴って付属品の仕様をやたらとかえるのはよくあることですが、それとそれにかこつけた他者排除の線引きについてもプレスリリースには示されています。
必要ないのにかえるのは、他者排除になりますよともっともなことが書かれています。
ただ、再生品でも「フセイ」と表示されてしまうなど、この件は「使えないことはない」くらいで収まった話で、厳密には再生品と純正品に歴然とした差をつけることにはなっています。
その辺は再生品のほうが市場では廉価品として普及していることだし、いいかということなのでしょうか。
プリンターは、本体では儲からず、消耗品で稼ぐという世界ですからキャノンにとっても神経を使うところでしょうね。
それにしても去年の10月からやっていたことですから、いやに時間がかかりましたね。
キャノンは再生業者に8月に説明をしたそうなので、今回の結末はそういうことを評価してのものなのかも知れませんね。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)