名古屋高裁,国が10年遡って障害基礎年金の受給資格を認めた女性に対して会計法を根拠に5年分しか支給しなかったため,女性が不払いの分の支払いを求めた訴訟の控訴審で請求を認容


年金は自分で請求しないともらえませんが,受給資格があってももらっていなかった分は,会計法に定めのある公法上の債権の時効の問題として5年分を超えると消滅するという運用がされています。

この運用によって,10年さかのぼって受給資格の認定を受けながら,5年分しか障害基礎年金を支給されなかった女性が,不支給であった分の支給を求めた訴訟の控訴審判決で,名古屋高裁は請求棄却だった一審判決を取消して,請求を認めました。

名古屋高裁の理由は,上記のような年金は請求をしないと盛られない仕組みに着目して,認定されてから給付を受けられるので,その時点から時効が起算されるというものです。

まず,民法的な視点から考えても,この理由の当否も問題となりそうです。

さらに,実務の扱いと全く異なり大変衝撃的な内容ですので,国側の今後の対応が注目されます。

裁判例情報

名古屋高裁平成24年4月20日判決

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サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。