大阪市職員労組のうちの一部が,大阪市が打ち出したチェック・オフの廃止を不当労働行為として労働委員会に救済命令の申立て


賃金は労働者に全額支払わないといけないのが原則ですが,組合との間で24協定という協定を締結すると,そこで合意したものを控除してよくなります。

そのなかに組合費が含まれていることが多く,これを特にチェック・オフ協定といいます。

このチェック・オフ協定については,歴史的に法律問題となることがいくらかありましたが,どれも組合が分裂した場合,従来通りの組合に支払いをしていいのかなどという問題や,組合員がやめてくれと言っているのに控除して組合に払ってしまっていいかという場合などで,組合と労働者の間で問題が生じている場合が大半でした。

このたび,大阪市がチェック・オフ協定を廃止すること打ち出しており,いくつかの職員についてはすでに廃止しているらしいのですが,さらに進行中で,大阪市職員労組の一部がこれを不当労働行為であるとして救済命令の申立てを労働委員会に行ったことが明らかになりました。

 

またもや大阪市を舞台に,これまでにあった問題とは,当事者の立ち位置が異なるねじれの問題が起きてきました。

市庁舎からの組合事務所の退去も,本来なら財政的援助になりかねないので,やること自体が労働組合法上は許されない行為になりかねないので,最低限の事務所を供与されることは該当しないなどと解釈している例外的なものなのに,むしろ組合の権利のような構え方で問題としたことに違和感があったのですが,ここにきて同じような対立構造であるかのような印象です。

 

チェック・オフの一方当事者からの解除というのは,あまり考えたことがないのですが,契約であることを重視すると条項のつくり方によるという考え方もできそうです。

そして契約中に根拠があったとしても,それはフリーハンドでできるわけではなく,不当労働行為の何に該当するというのかは一考の余地がありますが,不当労働行為該当性を判断するということになるのでしょう。

この点についてはあまり考えたことがないのですが,あとでもう少し検討してみたいと思います。

 

しかし,法的議論を離れると,この話の後ろには,職員に自主的におさめてもらうのでは資金的に集まらないといっているようなもので,何のための組合なのかについて深刻な問題が発生していることもうかがわせる事態です。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。