東京地裁,日航の整理解雇について有効と判断


少し遅れて取り上げますが,日本航空の経営破たんによって,最終的に整理解雇が行われ,それによって解雇された労働者が解雇無効を主張して会社を訴えていました。

パイロット,客室乗務員と職種ごとに別の訴訟事件となっていますが,結果として東京地裁はどちらにも解雇を有効とする判断をしました。

パイロットについては3月29日,客室乗務員については3月30日に判決が出ています。

 

解雇予告手当について一部について不足を認定して原告によっては一部認容の結論になっていますが,概していうと原告敗訴ということでよいと思います。

 

報道によると,パイロット側の事件の方では,整理解雇の4要件について丁寧に判示がされている模様で,大体,以下のような内容であるようです。

  1. 人員削減必要性
    事業規模縮小のために人員削減が必要であった
  2. 解雇回避努力義務
    早期退職者の募集など一定の解雇回避努力を行った
  3. 人選
    病欠日数など合理的基準に基づいている。
  4. 手続
    手続も妥当であった。

ただし,報道では「4要件」といってましたが,判決で本当に要件といっているのか要素にとどめているのかは確認できておりません。

日本航空は一応の復活を遂げまして,もう回復したところをとらえて必要性がなかったというような主張もなされているところですが,ぎりぎりまでの解雇回避まではさすがに求められておらず,事業計画に応じて必要な労働者数を超える部分はリストラして当然であるわけでしょう。

労働者側は控訴して争う構えですが,結論が変わることを期待するのは難しく,数からいっても国鉄時代のような社会問題政治問題となることは観念しがたく,落着の見えた問題のように考えられます。

裁判例情報

東京地裁平成24年3月29日判決

東京地裁平成24年3月30日判決

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。