イタリアで検討されている労働者の解雇を可能とする方向での労働者憲章法の改正案について,左派勢力との協調の観点から修正がされたことが明らかになりました。
それは,業績悪化で労働者を解雇を可能とするのがこの改正の目玉なのですが,裁判所の判断で職場復帰を可能とする内容への修正です。
従来の案では,司法が解雇を違法と判断しても,金銭解決するならば職場復帰までは義務付けられないというものだったのですが,これが職場復帰を司法が実現できるという内容へと修正されることになります。
イタリアの経済界は一斉に反発しています。
この修正された改正案の評価ですが,内容だけみますと,日本の法制度の現状とほぼ同じになります。しかし,現実がどうなっているかは別問題ですので,本来のイタリアの考えていた改正が日本をしのぐものであったと評価するまでは言えないと思いますが,諸外国の立法例と比較して妥当なところの内容にしたと形式的には言えるのでしょう。