民主党が検討している会社法改正の提言の原案が明らかになる 有価証券報告書提出会社に社外取締役の義務化を求める内容


会社法改正に関して民主党の党内で検討している提言の原案の内容が報道されました。

日経しか報道していないらしく,他紙のウェブサイトには載ってませんの引用は控えます。

内容としては,以下のようなもののようです。

  • 有価証券報告書提出会社に社外取締役を義務付け
  • ただし,企業の負担増を考慮して,経過措置や社外取締役の権限を取締役の選任などに限定する

会社法の世界では金融商品取引法に根拠のある有価証券報告書提出会社という仕切りをしていないので,この通りにするとしたら新しい切り口になるというのが印象ですが,実質的に意味があるなら変に硬直的な思考は排するべきなのですが,ガバナンスの充実の必要性が高いという仕切りで言うなら,公開会社に限ってしまえばいいような気がしますので,あえて有価証券報告書提出会社にする必要はあるのでしょうか。

公開会社と有価証券報告書提出会社の違いというと,社債を出している会社が入るか否かくらいですが,債権者がたくさんいる会社もガバナンスを強化する必要が強いのであるということは確かにいえそうにも思えますが,実際問題としては,どうでしょうか。

 

さらに微妙な感じを受けるのが,取締役の選任に限定した社外取締役です。指名委員会を念頭に置いているのかもしれませんが,社外取締役以外の取締役の選任というか候補の選定だけをするということなのでしょうか。すると,毎年,株主の審判を受けるという仕組みにする必要がありますが,取締役間で任期をたがえるのも無理でしょうから,業務執行をする取締役と一緒に毎年,改選を迎えるのでしょうか。

このほか,義務付ける内容のバリエーションとして,

(1)取締役の選任

(2)取締役の報酬

(3)MBO(経営陣が参加する買収)の価格設定

(4)ポイズンピル(毒薬条項)導入

が記事中ではあげられていました。

このような権限が一部だけの取締役がいて,取締役会はどうするのでしょうか。任務懈怠との関係で,でなくていいということはないでしょうし,出たとしても意味不明な取締役会になってしまうのではないかと思うのですが,どうでしょうか。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。