大阪市職員の政治活動調査のデータの開封と集計が凍結される


JAPAN LAW EXPRESS: 大阪市職員の労働組合7労組が作る団体が,大阪市から市庁舎からの退去を求められていることの取り消しを求め提訴及び政治運動の実態調査について労働委員会に救済命令の申立ての関連情報です。

上記リンク先の記事でお伝えした通り,大阪市が市職員の労働組合に関連して行っている二点の行為のうち,政治運動の実態調査のアンケートについて,データの開封と集計の作業を凍結することが発表されました。

労働委員会の救済命令の申立てがなされているために,その手続きを見守るためとされています。

大阪市、職員への組合・政治活動調査を凍結 : ニュース : 関西発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2012年2月18日  読売新聞)

大阪市の職員約3万4000人に実施されていた組合・政治活動実態調査について、調査を担当する市特別顧問の野村修也弁護士が17日、市役所で記者会見し、寄せられた回答の開封や集計を凍結することを表明した。「思想・信条の自由を侵害し、組合運営に介入する不当労働行為だ」と反発する市労働組合連合会(市労連)などが大阪府労働委員会に救済を申し立てたことを踏まえ、「当面は推移を見守ることが妥当」と判断した。

府労働委員会は22日にも調査の一時差し止めの可否などを判断し、さらに数か月以上かけて調査中止を市に命じるかどうか最終決定する見通し。事実上、回答結果は集計・公表されない公算が大きくなった。

調査は、職員労組との対決姿勢を強める橋下徹市長の肝いりで、野村氏ら市の特別顧問・参与計4人でつくる「第三者調査チーム」が質問内容を作成し、組合のない消防局を除く職員を対象に9~16日に実施。庁内ネットワークシステムを用いたパソコン入力や配布用紙への記入する方法で行った。特定の政治家を応援する活動や組合活動への参加の有無など22項目を記名式で答えさせた。

実施主体や回答先は調査チームになっていたが、橋下市長は職務命令で回答を求め、拒否すれば処分を検討する考えを示していた。

(略)

 

組合側の主張は支配介入だとするもので,確かに政治活動が大っぴらに知られるところとなると,やるのを控えるという心情になるでしょうから,組合の弱体化につながるということはいえそうに思えます。

しかし,一方で調査の内容がわからないので何とも言えないのですが,勤務中に活動をしていたなど違法な組合活動の実態のための調査だったらどうなのかなど,判断に困る点もあります。

寡聞にして,このような対立的な中で生み出されたある種露骨な行動の支配介入該当性が問題となった裁判例をあまりみないのですが,市長の組合に対する批判発言などからいくと,支配介入とする方向に評価されることは有名な裁判例からも考えられるところです。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。