名古屋高裁,パナソニックエコシステムズ派遣打ち切り訴訟で,約130万円の慰謝料の支払いを命じた一審判決を支持して控訴を棄却 労働契約上の地位確認を認めなかった判断も維持


一審については,twitterで簡単に触れただけなのですが,パナソニックエコシステムズ派遣打ち切り訴訟の控訴審が出ましたので取り上げます。

一審判決について言及したtweetについては以下のまとめ記事をご覧ください。

JAPAN LAW EXPRESS: 2011.05.04 法律関係tweetまとめ

 

会社側に約130万円の慰謝料の支払いを命じたものの,労働契約上の地位確認は認めなかった一審判決に対して,双方から行使があったのですが,名古屋高裁は双方の控訴を棄却しました。

 

控訴審判決についての報道で言及されているのですが,本件の一審判決は派遣社員が正社員に業務を教えさせ,その後に派遣契約を打ち切ったと事実認定されているようです。

素朴な感情としてはひどい話だと思えますが,だからと言って労働契約上の地位が派遣先との間で生じていたとこすることは難しいのは明らかで,労働契約上の地位確認は変わらず認められていません。

労働者側の主張も,この一点だけとって労働契約上の地位があるといっているわけではないでしょうし,そもそも無理筋だと思いつつ現実的には金銭の支払いを受けることを念頭にしているのかもしれません。ですので,この事実に関する主張の当否をうんうんすることは適当ではないと思います。

むしろ,派遣契約の打ち切りの仕方によっては,信義にもとる場合があり,慰謝料が認められることがあるということを認識しておくべきということになりましょう。

裁判例情報

名古屋高裁平成24年2月10日判決

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。