オリンパスの株主,同社の損失隠しを有価証券報告書の虚偽記載であり,それによって損害を被ったとして,同社に対して損害賠償請求訴訟を提起


オリンパスの株主が,金融商品取引法に基づいて,同社を提訴しました。

法的構成は西武鉄道事件などと同じで,有価証券報告書の虚偽記載によって損害を被ったとするものです。

時事ドットコム:オリンパスに2億円賠償提訴=株主「粉飾事件で損害」-大阪地裁(2012/01/23-18:48)

オリンパスの粉飾決算事件をめぐり、全国の個人37人と法人1社の株主が23日、「株価の暴落で損害を受けた」として、同社に計約2億2000万円の賠償を求め大阪地裁に提訴した。(略)

同社は昨年12月、過去5年分の有価証券報告書を、虚偽記載を理由に訂正した。原告は2007年10月から、損失計上の先送りを公表した昨年11月8日までに購入した株主で、既に売却した人もいる。

(略)

継続開示で不実開示が行われた場合の損害賠償請求については金融商品取引法に規定がありますが,この規定のみを根拠として訴えることはあまりなく,損害の推定規定を損害額の算定の根拠にしつつも不法行為構成によることが多く,西武鉄道事件もこの構成になっています。

本件も,弁護団の発言から行くと,金融商品取引法の規定は,損害額の算定に使うのにとどめているように思われます。

先日,西武鉄道事件の最高裁判決がでていますので,法的な論点よりも事実認定をめぐる問題が争点となる訴訟となりそうです。

一方のオリンパスも,西武鉄道事件などから有価証券報告書虚偽記載で損害賠償請求訴訟が提起される恐れがあることは当然予想しているでしょうから,その反論が注目されるところです。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。