東京地裁,セブンイレブンの元オーナーが,値引き販売の制限で損害を被ったとして,セブンイレブンジャパンを提訴した訴訟で請求を棄却


JAPAN LAW EXPRESS: セブンイレブンのオーナー、値引き販売制限で損害を被ったとしてセブンイレブンジャパンを提訴の続報です。

2009年にセブンイレブンの弁当値引きの件を公正取引委員会が問題提起して大きな話題となりましたが,これは公取委とセブンイレブンジャパンの問題であり,行ってみれば行政法の事件でした。

しかし,同時期にフランチャイジーであるフランチャイズオーナーが,値引き制限で損害を被ったとして,セブンイレブンジャパンを相手取って損賠賠償請求訴訟を提起していました。

同様の訴訟は何件かあり,一部認容の判決も出ています。

JAPAN LAW EXPRESS: 福岡地裁,セブンイレブンの値下げ制限を独禁法違反と認めて,閉店した元フランチャイジーによる損害賠償請求を一部認容

 

どれも民事事件であり,当然ながら公取委の件とは別に進行していたのですが,このたび東京地裁に提訴されたものについて請求棄却というフランチャイズオーナー側の全面敗訴に終わったことが明らかになりました。

時事ドットコム:セブンイレブン元加盟店が敗訴=見切り販売制限賠償訴訟-東京地裁(2012/01/20-17:00)

コンビニ最大手のセブン-イレブン・ジャパン(東京)に賞味期限が迫った弁当などの値引き販売を制限され、商品の廃棄で損害を受けたとして、福島県塙町の元加盟店主が同社に9000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁(三角比呂裁判長)は20日、元店主の請求を棄却した。
原告側は1985年の開店当初から、研修などで値引き販売をしないよう繰り返し指導を受け、組織的に妨害されたと主張したが、三角裁判長は「裏付ける証拠はなく、直ちに原告の店舗で妨害行為があったとは言えない」と認定した。

(略)

福岡地裁の件と判断が全く異なっているわけですが,その理由は,何と値引き制限をしていた証拠がないというものでした。

公取委で排除措置命令が出ているではないかと思われるかもしれませんが,行政の判断がそのまま裁判所を拘束するわけではありませんし,そもそも個々のフランチャイズオーナーが損害を被ったことを立証する場合の要件を考えますと,原告に対して当該値引き制限があってそれにしたがって損害が生じたことを立証しないといけないことになります。

上記報道を見る限りですと,どうやら立証が不十分であったように思われます。

 

この訴訟提起時に感じた私見では,値引き制限をすることで見合いが生じなくなりますので,実際には高く買うお客を一定数確保することで利益そのものは上がっていることが考えられることから,損害の要件で問題になるのではないかと考えていました。

しかし,その予想とは別の要件が問題になったことになるほどと思った次第です。

裁判例情報

東京地裁平成24年1月20日判決

 

 

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。