オリンパスのウッドフォード元社長,委任状争奪を断念 不当解職で提訴の方向へ


オリンパスの一件の続報です。

ウッドフォード元社長はすでに表明していた委任状争奪によって臨時株主総会で自らを主体とする経営改革を実現する方針を断念したことが明らかになりました。

オリンパスのウッドフォード元社長、委任状争奪戦を断念| テクノロジーニュース| Reuters

2012年 01月 6日 19:40 JST

損失隠し問題に揺れるオリンパス(7733.T: 株価, ニュース, レポート)のマイケル・ウッドフォード元社長は6日、社長復帰に向けた臨時株主総会での委任状争奪戦(プロキシファイト)を断念することを表明した。

大株主である日本の機関投資家や主要取引銀行からの支持を得られず、勝算がないと判断した。同氏は今後、昨年10月の社長解任は不当だとしてオリンパスを提訴する方針で、現経営陣との戦いの場を法廷に移す。

(略)

理由としては,オリンパスの大株主からの支持が得られなかったということのようです。

会社側が打ち出している方向性が,現経営陣の交代であるので,穏当な選択としてそちらを支持するという動きが大株主のなかでは強いのだと思われます。

ウッドフォード氏の経営手腕のほどはよくわからないのですが,同調性を重視する考え方からすると,革命的な経営権の転換には躊躇してしまうということなのでしょう。

これに対して,ウッドフォード氏の方針は,損害賠償請求になるもようです。

ウッドフォード氏は,代表取締役を解職されたのであり,取締役を解任されたわけではありません。ですので,役員の解任が不当である場合に,得られるはずだった報酬を請求できる会社法339条2項のような規定がない場面であることになります。

したがって,民法709条に依拠しての損害賠償になるのだろうと思います。

不当な解職であることを主張するというのが主要な点になりますので,法的構成そのものにはそれほど意味がないといえましょう。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。