労働政策審議会労働条件分科会,有期雇用の制度改革案をまとめる 有期雇用の期間が通じて5年を超えた場合には,労働者からの申入れで無期の契約に転換される仕組みの導入を提言


有期雇用の法制度について検討していた労働政策審議会労働条件分科会がまとめた案が公表されました。

有期労働契約の在り方について(報告)(案)(PDF)

簡単にまとめますと,有期雇用の期間が通じて5年を超えた場合には,労働者からの申入れで無期の労働契約に転換できるというものです。

あくまで概念的な案にすぎませんので構成ははっきりしませんが,労働者からの単独行為で無期労働契約の締結が強制されるというような内容であるようです。

その労働契約の内容は,無期に変わる以外の労働条件は全く従前と同じにするとされています。

また,途中にインターバルをおくと通算されないとするようで,それをクーリング期間を呼称しています。

具体的には6か月間が空くと,通算されないことになるとされています(1年未満の有期労働の場合,その期間の2分の1をクーリング期間とするとされています)。

これらを労働契約法の改正の形で実現することを提言しています。

 

これは,有期雇用の待遇改善というか雇用の安定化のための内容ということなのでしょう。

しかし,このような法制度になると,5年を超えて雇おうとしなくなるのではないか,クーリング期間をやたらと置くようになるのではないかということが容易に想像されます。

全部が全部そうなるのではなく,比較的,蓄積された経験が意味を持つ業種では,無期契約への転換が期待できるのでしょうが,かなり広汎な業種においては,代わりはいくらでもいる場合が多かれ少なかれあるでしょうから,かえって雇用県境の不安定化を招くことになりそうです。

上記のようにむきに誘引される数と,不安定化する数を比べると,不安定化する方もかなり多いのではないかと想像するのですが,どうでしょうか。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。