兵庫県警,株価をつり上げようとしてヤフー掲示板に当該発行会社の虚偽情報を書き込んだ男を当該行為が金融商品取引法で禁止されている風説の流布に該当するとして逮捕


自分で保有している株の価格をつり上げようとしてヤフー掲示板に当該会社の虚偽の情報を書き込んだ男が,証券取引等監視委員会と兵庫県警の合同捜査を受けた後,金融商品取引法違反(風説の流布)で逮捕されました。

ネットに虚偽の企業業績の情報 風説の流布容疑で男逮捕 – 47NEWS(よんななニュース)

株を保有している会社の株価をつり上げるために「業績が拡大している」などと虚偽の事実をインターネットの掲示板に書き込んだとして、兵庫県警捜査2課は2日、金融商品取引法違反(風説の流布20+ 件・偽計)の疑いで神戸市垂水区桃山台、無職佐藤昇容疑者(40)を逮捕した。

(略)

逮捕容疑は8月24~29日に十数回、証券取引専門のネット掲示板に、ジャスダックに上場している東京都中央区の人材派遣会社など4社について「業績が大幅に拡大している」などと虚偽の事実を書き込んだ疑い。

金融商品取引法

第158条(風説の流布、偽計、暴行又は脅迫の禁止)

何人も、有価証券の募集、売出し若しくは売買その他の取引若しくはデリバティブ取引等のため、又は有価証券等(有価証券若しくはオプション又はデリバティブ取引に係る金融商品(有価証券を除く。)若しくは金融指標をいう。第百六十八条第一項、第百七十三条第一項及び第百九十七条第二項において同じ。)の相場の変動を図る目的をもつて、風説を流布し、偽計を用い、又は暴行若しくは脅迫をしてはならない。

 

引用しているものとは別ですが日経の報道では,当該書き込みを見て,当該株式を購入した者が複数存在することが確認されている旨の言及がありました。

風説の流布というと,虚偽を流すことということで明らかなように思われますが,実のところ,これまでに問題になった事件では,風説の流布に当たるかが問題になった事例がいくらかあります。

会社の経営者が,嘘の業績を記者会見で発表すればたちどころに該当することになりましょうが,株価占いのような雑誌記事だったらどうなるか,開示が嘘八百だったらどうなるかなど,限界事例は結構あるのです。

本件ではヤフー掲示板への書き込みということですが,企業ごとになっている掲示板なのかさだけではないのですが,とにかくインターネット掲示板への書き込みが風説の流布に該当するかということが問題になりそうです。

この点,本件では,上記のような購入動向に影響を与えた事実が確認されていることから,風説の流布に該当するということが言えるという判断の一材料になっているのではないかと推察されるところです。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。