東京地裁,東理ホールディングスの元会長が特別背任罪に問われた事件で,無罪判決


以前,コンサルティング費用の支出が会長(当時)が支配する会社に対して行われたことが問題となった東理ホールディングの件は,このブログでも取り上げてきました。

この元会長は,刑事の方で特別背任罪に問われましたが,本日,11月30日,東京地裁において無罪判決が言い渡されました。

会社法上の任務懈怠の問題と特別背任の成否は同じではありませんが,非常に近いものがあるのも確かですので,刑事事件における事実認定は,会社法の観点からも大きな意味があるといえます。

このブログでは,元会長が支配している会社にコンサルティング費用を支出したということを重視して考察していたのですが,この点について東京地裁は,元会長は元証券会社社員らとチームを組み増資が達成されたと指摘して,「報酬はチームに帰属するが、法人格がないため、被告が支配する会社をコンサル契約の主体にしたとみる余地がある」として,任務違背で損害を与えたというには合理的疑いがあるとした模様です。

事実認定も含めて極めて衝撃的な判決といえそうです。

裁判例情報

東京地裁平成23年11月30日判決

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。