オリンパスの大株主である米投資ファンド、サウスイースタン・アセット・マネジメントが同社に対して問題となっている買収に関連する取締役会議事録の開示を請求 法的措置も視野に


オリンパスの件で,さらに当たらな動きが株主から起きてきたことが明らかになりました。

同社の大株主であるアメリカの投資ファンドであるサウスイースタン・アセット・マネジメントが,問題とされている買収に関連する取締役会議事録の開示を同社に請求しているとのことです。

これは任意の開示を求めているもので,法的手続きではないのですが,応じない場合には法的措置も視野にいれているとされています。

同社は現時点で拒否しており,このままいくとオリンパスは監査役がいますので,取締役会議事録の開示を求めて裁判所に許可を求めるという事態になりそうです。

第371条(議事録等)
取締役会設置会社は、取締役会の日(前条の規定により取締役会の決議があったものとみなされた日を含む。)から十年間、第三百六十九条第三項の議事録又は前条の意思表示を記載し、若しくは記録した書面若しくは電磁的記録(以下この条において「議事録等」という。)をその本店に備え置かなければならない。
2 株主は、その権利を行使するため必要があるときは、株式会社の営業時間内は、いつでも、次に掲げる請求をすることができる。
一 前項の議事録等が書面をもって作成されているときは、当該書面の閲覧又は謄写の請求
二 前項の議事録等が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求
3 監査役設置会社又は委員会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社の営業時間内は、いつでも」とあるのは、「裁判所の許可を得て」とする。
4 取締役会設置会社の債権者は、役員又は執行役の責任を追及するため必要があるときは、裁判所の許可を得て、当該取締役会設置会社の議事録等について第二項各号に掲げる請求をすることができる。
5 前項の規定は、取締役会設置会社の親会社社員がその権利を行使するため必要があるときについて準用する。
6 裁判所は、第三項において読み替えて適用する第二項各号に掲げる請求又は第四項(前項において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)の請求に係る閲覧又は謄写をすることにより、当該取締役会設置会社又はその親会社若しくは子会社に著しい損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、第三項において読み替えて適用する第二項の許可又は第四項の許可をすることができない。

オリンパス事件においてついに法的手続きが視野に入ってきました。

取締役会議事録は条文上は,株主などならいつでも閲覧できるようになっているように見えますが,監査役のいる会社や委員会設置会社は裁判所の許可が必要であり,実際にはこちらが原則となっています。そのため容易に見ることはできません。

これは,閲覧されるのを恐れて議事録に実質的な内容を取らない傾向があったためで,ちゃんと記録を残すようにするための仕組みです。

しかし,取締役会で議論していることの実際から考えると,本件で問題となっているのは,M&A全体の当否というより,アドバイザーなど細部に怪しいところがあるという話であり,そのようなことを取締役会で議論しているかはよくわからないところがあります。

オリンパスで取締役の人数は結構多いので,そこでこまない話題を議論することはないのではない感じがします。しかし,まったくもっての印象論ですので,現実はどうなのでしょうか。

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。