東京高裁,阪急トラベル事件で,旅行会社の派遣添乗員にみなし労働時間制は適用されないと判断 ただし認容額は減額


旅行会社の派遣添乗員にみなし労働時間制が適用されるのかという問題については,地裁レベルで判断が分かれてしまっています。

JAPAN LAW EXPRESS: 東京地裁、派遣添乗員に対する事業場外みなし労働時間制の適用を否定

JAPAN LAW EXPRESS: 東京地裁、阪急トラベルの派遣添乗員に対する事業場外みなし労働制の適用を肯定 同社に対する同種の裁判例と判断が分かれることになるも請求は一部認容

これらの記事で取り上げた以外にも,適用を肯定した裁判例があり,完全に分裂状態です。

そのような中,適用を否定した事件の控訴審判決が14日に出ました。

この控訴審判決でもみなし労働時間制の適用を否定しました。もっとも,請求認容額は減っており,これは記録が残っていないツアーの分を除外したためである模様です。

2審も添乗員の「みなし労働時間制」適用認めず : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)(2011年9月14日19時19分  読売新聞)

(略)

福田剛久裁判長は、「添乗員が記録した日報を利用して、労働時間を算定することが可能」として、1審・東京地裁と同様、原告側勝訴の判断を示した。残業代については、原告側の請求を全面的に認めた1審判決の認定額を減額し、会社側に約102万円の支払いを命じた。

(略)

判決の全文には当たっていないのですが,どうやら,みなし労働制適用の要件である労働時間算定が困難である事情がないと判断されている模様です。

みなし労働時間制については,下記の記事をご覧ください。

JAPAN LAW EXPRESS: 東京地裁、派遣添乗員に対する事業場外みなし労働時間制の適用を否定

判決が完全に割れてしまっていることからか,控訴人である阪急トラベルサポートは上告するとしています。

裁判例情報

東京高裁平成23年9月14日判決

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。