東京高裁,オリンパスの内部通報者配転訴訟で原審を破棄 配転を無効として賠償請求を一部認容


JAPAN LAW EXPRESS: 東京地裁、オリンパスが内部通報をした社員を配転したのを適法と判断の続報です。

内部通報をした労働者を会社が配転したのを有効と判断した原判決に対して,控訴がされましたが,東京高裁は原判決を破棄して,配転を無効とする逆転の判決を下しました。

 

内部通報で異動は無効…オリンパス社員逆転勝訴

(2011年8月31日12時20分  読売新聞)

(略)

鈴木健太裁判長は「上司は内部通報に反感を抱き、業務とは無関係に異動を命じており、人事権の乱用に当たる」と述べ、原告敗訴の1審・東京地裁判決を変更。異動を無効とし、同社と上司1人に計220万円の賠償を命じた。

判決によると、営業担当だった浜田さんは2007年4月、上司が取引先の鉄鋼メーカー社員を引き抜こうとしていることを把握。取引先の信用を失うと考えて上司に中止を求めたが聞き入れられず、同6月に社内のコンプライアンス窓口に通報。窓口の担当者は、上司に通報の事実をメールで知らせた。浜田さんは同10月、経験のない部署への異動を命じられ、外部との自由な接触を禁じられるなどの嫌がらせを受けた。

 

上記報道では明らかになっていませんが,日経の報道によると控訴審判決では公益通報者保護法についての検討はされていないとのことで,配転に関する労働法理についての判断だけで結論を導いた模様です。

まだ全文を確認できていませんが,原判決が公益通報者保護法の検討と配転法理の検討の二段構え構成だったのに対して,控訴審は配転の問題としてのみ検討したという違いに注目がされることになりそうです。

公益通報者保護法の問題と配転の要件論とは,確かに別物ですので,公益通報者を理由なく配転すれば違法であることがかなりいえるということはありましょうが,必ずしも必要条件ではないでしょう。そう考えると東京高裁の判断は妥当なものだと思われます。

裁判例情報

東京高裁平成23年8月31日判決

 

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。