大阪地裁,大阪市職員労働組合と組合員がチェックオフを廃止した条例の取消等を請求した訴訟で,条例の制定と公布の処分性を否定して請求を却下


大阪市職員労働組合がチェックオフが廃止されたことをめぐっていわゆる労働訴訟を提起したものの,行政法の論理で訴えが却下されるという判決が出ました。

使用者がチェックオフをいきなりやめると,不当労働行為になりかねませんが,大阪市はチェックオフの廃止を条例で制定したために,この取消を求めて行政訴訟を労組と組合員が提起したのですが,24日,大阪地裁は条例の制定と市長による公布について処分性を否定,取消訴訟については訴えが却下されました。

 

いわゆる法規の制定行為については,処分性が否定されるのが一般的ですが,ものによっては肯定されます。

特定の保育所を廃止する条例については,最高裁で処分性が肯定されています(最判平成21年11月26日)。要は個別具体性が認められる法規の制定行為なら,処分性が肯定されることがあるということになります。

すると,ユニオンショップ協定などを有していたとしたら,労組は事実上一つになりますから,チェックオフの廃止を条例でしたらそれはその組合を狙い撃ちしていることになりかねず,個別具体性があることになりそうです。

しかし,一方でチェックオフは,組合の権利というのとも異なりますので,利用者に選択する権利があることを前提に判断をしている保育所の事件とは決定的に異なるとも言えそうです。

 

労働法の観点から考えると,同じくチェックオフ協定を廃止しても,公共団体では不当労働行為にならないということになってしまいます。しかし,民主的に決定されたことであることを重視するとこの結論の違いも許容できると思われます。

裁判例情報

大阪地判平成23年8月24日

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。