【米銀カードブランド寡占訴訟】連邦最高裁、裁量上訴を棄却、反トラスト法違反確定へ


アメリカの銀行が発行するカードブランドは、加盟金融機関とカードブランド会社間の他ブランドカードの発行を認めない慣行により、ビザとマスターに限定されていたそうですが、これを連邦高裁が反トラスト法違反としていましたが、これを不服としてビザとマスターが連邦最高裁に対して行った裁量上訴が棄却、反トラスト法違反との判断が確定することになりました。記事はこちら

実は取り上げたいのは、この事実よりもむしろアメリカの裁判制度のほうです。

アメリカの司法制度の特徴が垣間見れるいい事例なので取り上げてみました。

リンクした記事では、連邦最高裁が下級審判決を支持したように書かれていますが、これは日本の裁判制度に親しんでいるための間違いで、連邦最高裁が行ったのは裁量上訴(サーシオレイライ)の棄却で、当該事件に連邦最高裁で判断すべき法律問題は含まれていないという意思表示だけです。
別に連邦高裁の判断を支持したわけではありません。
事例に関しては何もいっていないというのが事実です。

アメリカでは、連邦最高裁に持ち込まれる事件が多すぎると、本当に取り上げなくてはいけない問題に注力できなくなるという考え方から、理由を示さず上訴を棄却することができます。これをサーシオレイライといいます。
このため、事件に関しては何も考えていないわけで、原審を支持する云々の問題ではありません。
確定するのはあくまで高裁や地裁の判決であり、連邦最高裁の判断と扱うことはできません。

もっとも、だからといって、価値がないわけではありません。
最高裁判決でないと重みがないという考え方も日本の裁判に親しんでいるとでてくる感覚で、アメリカではすべての判決が法源としての価値を持つのでそれなりの重みがあります。

似た制度の導入をしたものの、日本の最高裁は上告された事件を一応は審理しますので、負担は大変なものだそうです。
法化社会を迎え裁判件数が増えるとなると、この問題にも再度取り組まねばならなくなるでしょう。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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