札幌地裁,タクシー適正化・活性化法に基づく雇止めを無効と判断


タクシーの規制緩和が行き過ぎたとして,タクシー適正化・活性化法という法律ができましたが,この法律に基づく減車を理由に雇止めをされた有期雇用のタクシードライバーが,雇止めは無効であるとして労働契約上の地位確認を請求した訴訟で,最高裁は雇止めを無効と判断しました。

タクシー運転手:雇い止めは無効 賃金支払いを命令 札幌地裁 – 毎日jp(毎日新聞)(毎日新聞 2011年7月6日 21時31分)

タクシー適正化・活性化法に基づく減車を理由に雇い止めされたのは不当として、札幌市西区の中堅タクシー会社「鈴蘭交通」の元乗務員の男性3人が同社に損害賠償を求めた訴訟で、札幌地裁は6日、雇い止めを無効とし、未払い賃金の支払いを命じる判決を言い渡した。宮崎謙裁判官は「乗務員の自然減を全く考慮しておらず、雇い止めの必要性はなかった」と指摘した。

(略)

法律に従ったところ解雇もできないというのだと大変な判断だと思えないでもないですが,タクシー適正化・活性化法によると,減車等は事業再構築としてのタクシー事業者の取組とされています。ですので法律に従って強制的に減車するというものではないために,雇止めについては,普通の判断枠組みで検討することになりましょう。

すると原告であるドライバーのこれまでの事情やこの会社の状況が重要になるところですが,この報道では会社の事情から雇止めの必要性が否定されたことがうかがえるのみですので,有期雇用でも4類型に整理されているうちのどれに当たるのかについてはよくわかりません。

報道の文言だけ見ると,使用者にとって酷な判断に思えないでもないですが,よくよく考えると雇止め法理に則って判断しただけの事件というのが実際のようです。

参考

報道発表資料:タクシー適正化・活性化法の施行について – 国土交通省

裁判例情報

札幌地裁平成23年7月6日判決

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。