最高裁、清算が終わった会社の帳簿の閲覧請求を認めず


商法では429条より、清算後の会社も帳簿や資料を10年間は保存しなければならないことを定めています。利害関係者がこの清算終了後の会社の帳簿の閲覧請求を求めた裁判で、最高裁は訴えを認めた原審判決を破棄、請求を棄却しました。記事はこちら。判決全文はこちら

清算後の会社の帳簿に関しては、293条の6のような閲覧請求の規定を欠いているのが争点だったのですが、原審は規定を欠いているものの帳簿を保存する趣旨を清算人の責任追及も含まれるとして、そのために閲覧請求は認められるとしました。

これに対して最高裁は、規定を欠くということは認めていない趣旨であるとして、棄却しました。

一見すると最高裁の判示は形式的に過ぎる気がしますが、商法規定の趣旨を抵触法の観点から公法的規定か私法的規定かを峻別して考えているなら理解できる判決だと思います。

帳簿に関する規定を公法的な規定だと解するなら、規定を欠いている内容に関してはできないものと解するのが妥当ですから、一律にできないという判断になるわけです。

ただ判決からは背後にどういう論理があるのかよくわからないので、これは「こうも考えられるよ」というだけですが。

調査官解説が出たらそちらでみるしかないですね。
でるか自体わかりませんが…。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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