議決権行使助言会社,東京電力の定時株主総会議案をめぐり意見が割れる


原発対応の最中,東京電力の定時株主総会が28日に迫っております。

これまでの経営責任がありますので役員選任議案にも注目が集まってしまう状況下ですが,それだけではなく,株主提案で原発からの撤退を求められるなど議案全体が緊張感のあるもので占められています。

 

議決権行使助言会社は,これらの議案に対しても助言を公表していますが,各社とも意見が大きく分かれるという珍しい事態になっています。

アメリカのインスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)は,役員選任議案に賛成,原発撤退には反対としています。

一方で,グラス・ルイスは,次期社長と勝俣会長をはじめとする全候補について反対としています。新鮮な見方を取り入れることが株主の利益としていますが,要するにこれまでの責任があるということだと思われます。原発撤退には反対としています。

 

これに対して,日本の議決権行使助言大手である日本プロクシーガバナンス研究所は,原発撤退に賛成するように助言する模様です。

民間企業がやるにしてはリスクがありすぎるということがその理由とされています。

感情的な脱原発論ではありませんが,そもそも株主総会で決められることなのか事態がいささか問題です。法律と定款で定めたことは何でも決議できるのが株主総会ですが,原発行政と電力各社の関係が非常に不明確ですので,果たして株主が自治することができるのかよくわからない点があります。会社法的には定款でできないと書いていないならできるのでしょうが,よくわからない感じがします。

 

情報源

日本経済新聞6月18日朝刊

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About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。