Googleニュースの衝撃とトータルニュース事件


最近、急速に様々な新規サービスを開始していて目が話せない検索大手googleですが、最新のGoogleニュースの与えた衝撃は計り知れないものがあります。

各種報道サイトのニュースを自動で収集、編集しトップページを生成、それぞれのサイトへのリンクを張るというもので、検索エンジンによる全く自動生成であり人は関与していないとのことです。

当然のことながら、ただ乗りとの批判も起きるわけで、すでに日本の大手新聞社のうちいくらかはリンク拒否を通告、Googleニュースには表示されなくなっています。

法的に考えるとGoogleニュースのようなサービスは著作権上何か問題はないのか、またリンク拒否というのは法的に根拠付けられるのかはかなり興味深い点です。

実際に似たような問題がアメリカで訴訟になったことがあります。
それがトータルニュース事件というもので、自社で開設したポータルサイトにフレーミングを利用して報道各社のニュースを表示、一部フレームにはトータルニュースが獲得した広告を表示するというサービスを開始したところ、リンク先となった報道各社から著作権侵害、商標権侵害、不法行為などで訴えられたという事件です。
(現在のトータルニュースは上記のような内容ではなくなっています)

事件自体は和解でスピード解決をしてしまったため、リンクやフレーミングに関する法的見解が示されたわけではないのですが、実務としての法的リスクを顕在化させたという点では先例としての価値がある事件です。

多分、この事件で問題だったのは、自社でとった広告と報道各社の記事を同時にトータルニュースのサイトのフレーム内で表示してしまう点でしょう。
予期せぬ広告と組み合わされてしまうと、会社のダメージになりかねないところが問題でしょう。

勝手にリンクを張ってよいかという点については、サイト作成者が何の意思も表示していない場合、法的な権利の一部としてリンクを拒否する権利があるとまではいえないと思います。
リンクに関して何らかの意思が表示されているなら契約として、当事者を拘束するでしょう。

著作権の問題については、トータルニュース事件ではフレーム内でそのサイトをそのまま表示していたので、複製などしていないため著作権侵害の点からはシロのような気がしますが、GoogleニュースはGoogleの検索結果表示と同じくGoogleが作成したページにニュースの一部が表示されています。この点の評価については難しいところがありますね。

ここから考えると、Googleニュースは若干の法的リスクを抱えているといえるでしょう。

どんな法的問題に対してもそうですが、実務的には確実にシロといえるところでとどまっておくのが常識です。
しかし、ことインターネット関連となると、既存の著作権などに照らして類推して考えるとほとんど何もできなくなってしまう傾向があります。
情報化の恩恵をさらに多くの人が教授できるように、またさらなる技術・サービスの発展にために法制度が障害となるような事態は避けなければならないですが、解釈でやろうとするのにも限界がある以上、やはり立法論ということになるのでしょうか。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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