物流不動産に特化した不動産業でマザーズ上場のの日本レップは,7割以上の議決権をマッコーリー・グッドマン・ジャパンピーティーイーエルティーディーがもっており,グッドマングループの一員となっています。
グッドマングループ入り後も上場は維持されていますが,このたび,少数株主が,実質的に会社に株式の買い取りを求める株主提案を行ったことが同社から公表されました。
当社定時株主総会における株主提案に対する当社の考え方について
この株主提案の内容というのは,なかなかすごい内容で,少数株主を追い出すために使う全株取得条項付種類株式などの一連の手法を株主の方から提案をするというものです。
さらに取得価格について,主張する計算方法に依拠して算出した価格まで提示しており,現在の株価よりも相当高い価格になっています。
この提案に対して,同社取締役会は反対の意見表明をしており,算出方法についての反論のほか,株主は市場で株式を売却するべきということも主張しています。
算定根拠があるにせよ,上場が維持されている株式について,株価よりも高い価格で会社に買い取ることを求めるというのは,確かに市場による価格形成を組織法上の行為で変更するという無茶なものに思えないでもありません。
本件では,支配株主であるグッドマンも反対しているとのことですので,可決される見込みはないので問題になることはなさそうですが,もし支配株主がやっていたとしたら大変な事態です。
本件は,閉じ込められた情勢になっている少数株主が十分な経済的給付もなく退出させられることのないように行動したものであろうと推測しますが,取った手法は大変衝撃的なものであり,いろいろと考えさせられます。