トヨタ自動車から今年の定時株主総会の決議事項が公表されました。
注目されるのは,取締役の定員について,30人以内から,20人以内とする定款変更です。
意思決定の迅速化のために,取締役の人数を絞るとしており,これに合わせて現在27人いる取締役を11人にする模様で,会社提案の取締役候補は11人となっています。
トヨタが取締役会をスリム化する話はすでに伝えられていましたが,いよいよ実現されることとなりました。
取締役会が肥大化してしまうと,もっと小さな単位で意思決定をするようになり,取締役会そのものは形骸化してしまう傾向があります。そもそも集まること自体が難しくなります。
そこでその現状を変革するということなのでしょうが,取締役会が機動的であればよいかというと,巨大な組織だと逆に目が行き届かなくなるおそれもありますので,小ぶりならいいと言い切れるようなことではないでしょう。
ちなみに,何人以内という役員定数の定め方は現実にはよくされています。これまでは特段問題はなかったのですが,経営権争奪が問題となる昨今では,この定め方が意味を持つ自体がありえ,実際に起きています。変な時代になったものです。