JASDAQ上場のダルトンが,イトーキとの業務提携の一環としてイトーキに対する第三者割当増資することを臨時株主総会に諮ることが取締役会で決定されたところ,発行差し止めの仮処分が申し立てられました。
しかし,決定が出る前に払い込みが完了してしまい,申し立てが取り下げられたという結末を迎えてしまいました。
株主による新株式発行の差止め仮処分の申立て取り下げに関するお知らせ
司法判断が出る前に払い込みが完了してしまうとはどういうことかという感じがしますが,実は本件は,株主総会の直前になって,仮処分の申立てがあり,手続きが速やかに進んでしまったためにこのような結末になった模様です。
そもそも,申し立てた株主は,同社の取締役会長であり,取締役会で第三者割当増資を決定したのは2月半ばであり,なぜ4月中旬の臨時株主総会予定日の前日にいきなり仮処分をしたのかなど,かなり謎があります。
さらに,株主総会に対する仮処分を申し立てることが選択されなかったことなど,詳しい事情を知らない立場から見ると,不可解な点がいくつか見える事象となりました。