かなりの対立の様相を呈していたパルコの経営権をめぐる問題ですが,ここにきて,パルコがイオンおよび森トラストの要求を受け入れて,委任状争奪などの事態は回避されることになりました。
要求受け入れというあいまいな表現を使いましたが,その内容は,社長の交代と両社が賛成する取締役選任議案の提出および執行役の人事やイオンとの協議等となっています。
当社第72期定時株主総会における議案等の取扱いに関する合意書締結について
これに対して森トラストは株主提案を取り下げるとしています。
もっとも,会社提案の取締役選任議案は,森トラストの提案と同じではなく,交渉の結果として合意できたものであるといえ,パルコが全面的にイオンと森トラストの要求を丸呑みしたものではないといえます。
これによって強引な経営権争奪で労働者が反発するという事態は避けられそうです。