紆余曲折の末に


今日,死刑が確定した長良川事件という刑事事件があります。

わずか10日ほどの期間に4人もの人が殺害されたという世にも恐ろしいリンチ殺人事件です。

正式には3つの連続する殺人事件で最後の一件が長良川事件というのですが,この呼称が事件全体の呼称とされることもあります。

犯行当時,犯人は少年であったので,3人の少年が死刑になるという衝撃的な判決ですが,法律を学ぶものにとっては,長良川事件は推知報道の件で憲法訴訟としても有名です。

最判平成15年3月14日民集57巻3号229頁

推知報道に関する判例が平成15年ですが,肝心の刑事事件のほうが今までかかっていたのはある意味大変な驚きです。

この最高裁判決を受けて大変凄惨な事件であるためか,報道各社ともニュースにしていますが,NHKの報道が特に印象的でした。

NHKをはじめとして報道各社のうちいくらかは,現在成人ではあるものの犯行当時は少年だった被告人の実名を報道しています。その理由がすごいもので以下のように述べています。

NHKは、少年事件については、立ち直りを重視する少年法の趣旨に沿って、原則、匿名で報道しています。今回の事件は、4人が次々に殺害されるという凶悪で重大な犯罪で社会の関心が高いことや、元少年らの死刑が確定することになり、社会復帰して更生する可能性が事実上なくなったと考えられることなどから、実名で報道しました。

NHKの報道は以下のリンクからどうぞ。

4人殺害 元少年ら死刑確定へ NHKニュース

同じ理由をつけての実名報道はほかでもいくつか見られますが,一方で毎日新聞のように実名報道をしていないものもあり,対応は分かれているようです。

この実名報道の判断には,推知報道で問題となったという経緯は何か関係しているのでしょうか。それともまったく関係ないのでしょうか。

マスコミで対応が分かれるというのは珍しいことで,なんとなく気になりました。

About Arakawa

サラリーマン経験のある弁護士兼社会保険労務士 このサイトでは、ビジネス関連の法律ニュースをもとにして私見をお送りするブログです。 ●筆者紹介 埼玉県立川越高校卒 東京大学法学部卒 東京大学大学院法学政治学研究科修士課程修了(法学修士) 専攻・国際私法、国際取引法、会社法 某企業で法務担当というよりむしろ労務担当 東大ロースクール修了 新司法試験合格 弁護士登録 現在,弁護士兼社会保険労務士です。

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