今日から東北新幹線で「はやぶさ」が走り始めました。
感無量です。
来週には,九州新幹線も全通しますので,今年は新幹線の開業ラッシュになります。
しかし,整備新幹線で開業した区間は最高速度が260キロの規格になっていますので,実は新型車両の性能を完全に発揮できません。
はやぶさが,現時点で300キロ,将来は320キロを出すのは,すでに開業していた区間の一部だけです。
建設費の抑制のために規格を下げたのだと確か記憶していますが,これだと新幹線はそれしか速度が出ないものだと思われかねません。
実は,高速鉄道のインフラ輸出って相当難しいと思います。
政府というよりも与党はインフラの輸出を大臣のトップセールスで成長分野にしたいみたいですが,交渉力の前に実は技術が評価されるかの点からかなり難しいと思われます。中国の高速鉄道は線形がよいこともあり,ものすごい速度で運転しています。そういう外形的事実を出されると,日本の新幹線は進んでいると受け取ってはくれないのではないでしょうか。
実のところ,国鉄時代,財政の悪化のせいで,新型車両が作れず,耐用期限がきた0系(この間引退した初代車両です)を新しく製造した同型の0系車両で置き換えるということをしていました。新型車両は国鉄末期JR前夜に登場する100系(二階建てグリーン車がついていたものです)まで待たねばならず,このせいで日本の新幹線は技術が全く進まないものだと世界からは見られたという苦い歴史があります。
意外なことにことは,実質よりもイメージとか思惑で決まってしまうということはものすごく多いです。特にインフラなんて利権の絡むものはなおさらそうです。ですので,実はすごいものであるということを相当説明しないと採用はかなりおぼつかないでしょう。
はたして,そのタフな仕事をできるのか,相当疑問です。