ロイヤルホストを運営しているロイヤル株式会社などを子会社に持つ持株会社であるロイヤルホールディングスにおける経営をめぐる問題が起きていることは簡単にお伝えしました。
JAPAN LAW EXPRESS: ロイヤルホールディングスの定時株主総会の株主提案権行使で現代表取締役を含む取締役選任議案が提案されるが,同社は反対を表明
この株主提案に特徴的な点があることは,上記の記事でお伝えした通りですが,この株主提案に対しては会社側から反対の意見表明が行われています。
株主提案権行使に関する書面の受領および株主提案に対する当社取締役会の考え方について
このリリースは簡単なものだったためか,改めて詳細な会社側意見の公表が行われました。
株主提案における「提案の理由」に対する当社取締役会の考え方について
本件の株主提案においては,提案している取締役選任議案に現在の取締役で会社が再任を提案予定である候補が含まれているという珍しい特徴があるのですが,上記意見では,これら会社提案と重複して再任に相当する取締役候補者についても,反対であるとしています。
その辺についての説明としては,以下のような記述がされています。
株主提案候補者の中には、会社提案と重複する取締役候補菊地唯夫氏、矢崎精二氏、黒須康宏氏の3名が含まれています。しかしながら、同氏らは提案株主より株主提案候補者とすることについて何ら説明を受けておらず、かつ提案理由に全く賛同もしておらず、提案株主に対しては取締役への就任の承諾をしておりません。
当人が同意していないから,会社としては反対であるというのは,会社法的に意味があるのかはよくわからないことろですが,株主提案が通ることに対する反対ということでしょう。
もっとも候補ごとに議案は別ですので,重複候補が株主提案で承認されてしまったとした場合には,当然に有効ですから,つきつめると会社提案と重複している候補を株主提案することが,法的に大問題を生じさせるものではないのだろうと思われます。
あくまで会社法的にどうであるかだけを考察するにとどめますが,会社の方向性をめぐっての対立ですから当事者としては当然に神経質になる問題であると思われます。