JAPAN LAW EXPRESS: 幻冬舎株式を大量取得したファンドが制度信用取引による取得であったため,同社株主総会での議決権行使の可否について問題が浮上の続報です。
幻冬舎MBOの成否に直結する残っている少数株主を退出させるために必要な全部取得条項をつける定款変更及びその取得決議等を諮る臨時株主総会が本日開催されました。
MBO実施側が議決権の3分の2をおさえられていないことから帰趨が注目されていましたが,同社株式を大量取得したファンドが制度信用取引であり,現引きを行わなかったために代わりに議決権を有することになる立花証券はこれに欠席して,定款変更等はすべて可決されました。
MBOはこれで成功することになりました。
定款の一部変更及び全部取得条項付普通株式の取得に関する承認決議並びに全部取得条項付普通株式の取得に係る基準日設定に関するお知らせ
私見では同社株を大量取得したファンドであるイザベル・リミテッドは,MBOの阻止までは考えておらず,株式の買取を求めてくるくらいではないのかと思っていたのですが,反対株主にすらなれなかったので,かなり次元の違う話になってしまった感じがします。
もっとも,証券取引所のルールで権利処理がされないために議決権行使ができないということと,会社法上の株主が誰かということは別問題であるように思われるのですが,立花証券の欠席でもってそれらはすべて問題にならないうちに終わってしまいました。